みなさんこんにちは!
My Playful Town運営メンバーの谷崎です。
突然ですがみなさんは、「神社」という場所にどれくらい行くことがありますか?
初詣のときだけ、あるいは観光のついでに訪れる。そんな方が多いかもしれません。
そんな中、私はある企画をきっかけに、伊勢原市内にある神社をほぼ全て、計60社を巡ってきました!(どうしても物理的に辿り着けない場所が数社ありましたが…)
約10か月かけて自分の足で一歩一歩、歩いたからこそ見えてきた、伊勢原の神社の魅力や気づきを、今回みなさんにお伝えしたいと思います。
なぜ巡ったのか
つい先日まで、My Playful Town(MPT)のSNS(X・Instagram)で、「いせはら歴史さんぽ」と称して伊勢原の神社を巡る様子を発信していました。

地域を知るために古くからある神社へ全部行ってみよう
という、シンプルなきっかけから始まりました。
みなさんに応援していただいたおかげで、約10か月にわたり毎週投稿を続け、無事に最終回を迎えることができました。
↑こちらは実際の投稿内容です。
神社を巡る前の私は、詳しい知識があったわけではありません。
「鳥居があって、お参りをする場所。」その程度の認識でした。
しかし巡りながら調べていくうちに、神社には鳥居や拝殿、本殿などがあり、それぞれに意味があることが分かりました。鳥居には神様の世界(神域)と私たちの日常(俗界)を分ける境界の役割があると言われています。
日本には神社がおよそ8万社以上あり、数にしてコンビニよりも多いそうです。その数の多さから、長い歴史の中で人々が神社を大切に守り続けてきたということが分かります。
実際に60社を巡ったことで、神社は単なる参拝の場所ではなく、その土地の歴史や文化、人々の暮らしを知る手がかりになる存在なのだと実感しました。
伊勢原の神社の特徴
地区別にみた神社の数
地図を見ると分かりますが、伊勢原市において神社が位置している地区には偏りがあります。

こちらの1枚目の地図は私が巡った神社の地図です。
地図のピンのところが神社の位置を示しています。
黄色が住宅街にある神社。青色が駅周辺にある神社。緑色が自然豊かな場所にある神社を示しています。

続いて2枚目の地図は、1枚目の地図と自治会別の区分の地図を重ね合わせたものです。
※編集の都合上、大まかな地区分けになっております。
この地図を基に集計してみると、以下のような結果になりました。
- 大山地区 16社
- 成瀬地区 11社
- 比々多地区 9社
- 高部屋地区 8社
- 伊勢原北地区 8社
- 伊勢原南地区 5社
- 大田地区 3社
最も多かったのは大山地区の16社で、市内全体の約4分の1を占めています。
一方で、最も少なかったのは大田地区の3社でした。
大山地区は古くから大山信仰を中心に発展してきた地域です。
それにより宿坊が並び多くの参拝者が訪れ、人々の信仰が集まる場所であったため、神社も数多く建立・維持されてきたと考えられます。実際に歩いてみると、それぞれの神社間の距離が近く、1日あればほとんどの場所を立ち寄れる印象でした。
それに対し大田地区は田園地帯として発展してきた地域であると推測され、集落の形成や土地利用の違いが神社の数に影響している可能性も考えられます。
大山道沿いに神社が多い!?
地区ごとの分布だけでなく、神社が建てられた場所にも特徴が見られました。

かつて大山詣りで使われた大山道とその道標が記された地図と、今回のいせはら歴史さんぽで巡った神社を重ね合わせると、大山道周辺に神社が多く分布していることが分かります。
※地図の黒線が伊勢原市の市境。赤いラインは、神社が分布している傾向にある大山道を表しています。
実際に神社巡りをするなかで、境内に大山道の道標がある神社も見つけています。
大山道は大山へ向かう多くの参拝者が往来した道であり、神社も街道沿いに多く位置していることから、信仰の場であると同時に、人々が立ち寄り交流する場所や目印としての役割も担っていた可能性があります。
創建年代別にみた神社
ここでは創建年(神社の社殿が建てられた年)ごとに伊勢原市の神社を見てみます。
60社の創建年を並べてみると、いくつかの時代にグループ分けできることに気づきました。
①1000年以上前から続く神社
- 三之宮比々多神社(2681年前)
- 白山神社/大山阿夫利神社(2200年以上前)
- 子易明神比比多神社(1296年前)
- 高部屋神社(創建年不詳(境内にある由緒書では紀元前655年))
これらはかなりの歴史を持つ神社です。
なお創建年代は神社の社伝によるものであり、その年代が確定しているわけではない場合もあります。
大山に関して大山寺縁起によれば、開山(寺を建てること)は、奈良時代の755年に良辨僧正によるものと伝えられています。しかし、登山道途中にある白山神社の立て札には、大山寺開山前からあるとの記述があり、大山は寺院が建立される以前から信仰の対象となっていた可能性があります。
また、高部屋神社や比々多神社の創建年代から、少なくとも2600年前にはこのころから人が定住し、大山を霊山として信仰するという文化があったのではないかと考えられます。
伊勢原市には縄文・弥生時代の遺跡も数多く残されており、古くから人々が生活してきたと言われる地域です。
神社の歴史を通して見ても、この地域では古代から人々の暮らしや信仰文化が根付いていたことが感じられます。
②鎌倉時代 およそ820〜850年前(1176年-1206年)
- 子安神社(846年前)
- 東富岡八幡神社(835年前)
- 白山神社(830年前)
- 小稲葉八幡神社(826年前)
これら4社の創建時期は鎌倉幕府成立期と重なり、八幡神社が集中しているのが特徴だと言えます。
八幡神社とは、八幡神(応神天皇)を祀り、日本で最も多い神社の一つとして知られています。武士階級からは武運の神として厚く信仰され、平安時代以降は源氏などの武家に広く崇敬されました。
実際に東富岡八幡神社は1191年に源頼朝によって創建されたと伝わっています。さらに、源頼朝は平家打倒のために、大山阿夫利神社に太刀を納めたとも伝えられています。
これらのことから、鎌倉武家政権の広がりと八幡信仰が伊勢原にも広がっていた可能性を示していると思います。
③江戸時代 およそ411〜435年前 (1591年-1615年)
- 八坂神社(435年前)
- 下落合八幡神社(430年前)
- 木下神社(428年前)
- 飯綱神社(425年前)
- 日月神社(423年前)
- 坪ノ内八幡神社(423年前)
- 伊勢原大神宮(411年前)
これらは安土桃山時代中盤から江戸時代初期に該当し、それぞれが点在しているため、集落ごとに勧請された神社と推測できます。わずか24年の幅に7社が創建されています。
また、「伊勢原」という地名は伊勢原大神宮の創建に由来するとされており、この時代は現在の伊勢原が形づくられていく上で、重要な時期だったと考えられます。
こうして見ていくと、①1000年以上前の縄文〜弥生期の自然信仰→②の鎌倉時代の武家政権と八幡信仰→③の江戸時代の集落と地名の誕生という3つの大きな流れが、伊勢原という地域の歴史と重なっていることが推測されます。
このことから、神社は地域の歴史を紐解いていく上で、その土地の成り立ちを知れる重要な場所だと考えます。
神社が持つこれからの可能性
巡ってきた神社の中には、境内にブランコやすべり台などの遊具や、地域の集会所や児童館がある場所がいくつもありました。

↑〆引バス停の近くに鎮座する、「五霊神社」。その境内にある「七五三引児童館」。

子易付近にある、諏訪神社の社殿左手にある遊具
そこから、神社は単なる信仰の場ではなく、地域のコミュニティの場として今も機能していると思います。
お祭の時期になれば、世代を超えて地域の方々が集まる場としても機能しています。こうした地域の人が自然と集まる空気感というのは、簡単に作れるものではありません。
地域の方々が守り受け継いできたからこそ、残っているものだと感じました。
一方で、伊勢原に関わる方とお話するなかで、「伊勢原に60社も神社があるなんて知らなかった」という声も少なくありません。
長く歴史を持ち、魅力的な神社が多い中で、これはもったいないなと感じています。
神社というものがもっと身近な存在になれば、それに付随して地域そのものや歴史に興味を持つことも可能だと思います。
実際、10ヶ月かけて巡る中で、地域の歴史や魅力を以前より深く知ることができました。
まとめ
神社を巡る前の私は、「神社は参拝する場所」という認識しかありませんでした。
しかし60社を巡って分かったのは、神社は地域の歴史を伝え、人と人をつなぐ場所でもあるということです。
一つひとつの神社は決して同じではなく、立地や祭神、創建の背景、周囲の景観まで、それぞれに異なる物語がありました。
何百年も同じ場所にあり続ける神社は、地域の人々が守り続けてきた証でもあります。
これからも伊勢原の神社や歴史が、受け継がれていってほしいと思います。
引き続き神社について調査を行っていこうと考えています。
(参考)
大山阿夫利神社に残る、願いの歴史 – 大山阿夫利神社
https://www.afuri.or.jp/
(2026年6月23日閲覧)
自治会連合会とは | 伊勢原市

(2026年7月9日閲覧)
伊勢原市観光協会 大山道 道標マップ
(2026年7月9日閲覧)
神社本庁公式サイト

(2026年6月27日閲覧)
奈良・平安時代 歴史と文化 – 知る | 丹沢・大山 歴史街道ものがたり デジタルアーカイブ
(2026年7月21日閲覧)
渋谷申博、日本の文化と歴史を深く知る今さら聞けない神社の超基本、朝日新聞出版

