こんにちは。橋本ゼミ12期生の山田孝太です。
この記事では、マイプレイフルタウンを運営する産業能率大学橋本ゼミが、学内イベント(納涼祭)にて大山こま最中を販売し、その利益は全額大山こまを購入し、こまが好きだけど大山こまを知らない小学生に寄付することになった話をお届けします。
なぜこうなったのか、書いている私たちでもよくわかっていない所があるのですが、一つ一つ説明していきますので、ぜひお読みください。
寄付しました!
いきなりですが、橋本ゼミでは児童館に大山こまを寄付しました!
子供たちは大山こまに興味津々で遊んでいました。
園長さんをはじめ、子供たちにもとても喜んでいただくことができました。橋本ゼミ一同とてもうれしいです。
なぜ寄付する流れになったのか。寄付に至るまでには様々な出来事がありました。一つ一つ説明していきたいと思います。
大山こまとの出会い(2024年春)
私たちは、ゼミ室にて大山コマと出会うことになりました。
この間大山行ってきて、お土産に大山こま買ってきたよ!
大山こま初めて見た!ちょっと回してみるね!
※こちらは以前Xにて投稿した内容になります。
大山こま回すの難しいね
そうだね。でも慣れてくれば回せるようになると思うよ!
小さい頃は、こま回せることができたのに!
小さいころに回していたの?
昔、流行ってたんだよ!
こまが流行っていたなんて今じゃ考えられないね
こまは日本の伝統の一つだからね!種類もたくさんあったり、回し方もたくさんあったりして、楽しみ方は人それぞれだね!
そうだね!こまには古くから続く深い歴史があるって聞いたことがあるよ!
古くから続いているってよく聞くけど、自分で調べたことはないから少し調べてみようか!
僕たちにできることは~大山こまについて調べてみました~
そこで、私たちは大山こまについてインターネットを通じて調べてみました。
そもそも、大山こまは、伊勢原市の大山にある阿夫利神社の参拝客向けのお土産として、約300年前の江戸時代中期ごろから親しまれている歴史的な玩具らしいよ!
伊勢原市では、伊勢原青年会議所が主体となって、市内に小学生が大山こまで競う大山こま大会「小学生対抗選手権大会」が開催されていたよ!2019年には、大山こまを一斉に回し、「同時にこまを回した最多人数」のギネス記録を達成したらしいよ!
他にも、伊勢原市の公式イメージキャラクターのくるりんは、大山こまをモチーフにしたキャラクターなのだってね!
大山こまは伊勢原市にとって歴史的なお土産という意味合いだけではなくて、伊勢原市民にとって身近なものであり、市を象徴するモノであり、文化なのか
でも、いろいろな記事を見たのだけど、職人さんお高齢化と後継者不足により、存続の危機に陥っているみたいだね。
ということは、このままだと大山こまはなくなっちゃうの?
そうみたいだね。そのうえ現状後継者(弟子)もいないみたい、こまを作って売っているだけでは生活が成り立たないし、10年ほど修行しないと一人前の職人になることはできないから途中で断念してしまうみたいだね。現状は、一人の職人さんが作り続けているみたいだね。※
うーん。何か自分たちにできることは無いのかな?
この現状をまとめて、マイプレイフルタウンの記事として取り上げるっていうのはどうだろう?でもそれだと、マイプレイフルタウンについて元々知っている人にしかたどりつけないか。
そうだ!それなら今度行われる納涼祭でこの大山こまの現状を産能生や納涼祭に来てくれる一般の方に伝えるのはどうだろう?
それいいかも!じゃあ納涼祭で大山こまを売ってみようか!
納涼祭(2024年7月)
納涼祭とは、産業能率大学で行われる学内イベントです。毎年、「学生会執行部」と「瑞木祭実行委員」という大学内の学生団体が主催となって、7月末頃に湘南キャンパスで開催され、学生たちによる模擬店やステージ公演等が行われます。
橋本ゼミでも、納涼祭では模擬店を出店をしており、伊勢原にある魅力を再発信できる機会となっています。
去年度は、伊勢原市内にある「勝栄舎牧場菓子工房Share」で販売していた「まきばの贅沢」というプリンを販売させていただきました。
「まきばの贅沢」を販売した背景として、実は「勝栄舎牧場菓子工房Share」が2024年の春を持って閉店するという事情がありました。(つまり、現在は閉店しております)
「まきばの贅沢」は、夫婦二人の経営者によって多くの手間をかけながら丁寧に作られたとても美味しいプリンでしたが、様々な理由により経営を続けるのが難しくなってしまったのです。
「『まきばの贅沢』が終了する前に、この美味しさを少しでも広めたい…!」
「伊勢原にもこんなにこだわって作られたものがあるんだという魅力を発信したい!」
そう考えた私たちは、産業能率大学の学生たちに、これらの想いを発信しようと思い、販売するという経緯に至りました。 当日、ありがたいことに「まきばの贅沢」は多くの学生や教員たちに購入していただき、完売に至りました。
さて、今年は大山こまですね。大山こまの魅力を伝えていく!とは言っても、大山こまは食品ではないため、販売するには難しい部分があります。
大山こまを模擬店で売るのは厳しいんじゃないかな?一応食品以外も売ることはできるけど、たくさん売ることは現実的ではないし、「より多くの人に現状や魅力を伝える」っていう点だと弱いかもね
そうだよね。納涼祭でどうやって大山こまを発信しようか。
そういえば、大学に行く途中で、「大山こま最中」というのを見たことがあるよ!
本当に!?ちょっと食べてみようよ!
大山こま最中とは
伊勢原的北口から歩いて3分のところにある、お菓子の店『さのや』さんで作られている、大山こまを模して作った最中です!昭和58年には神奈川県の指定銘菓に認定されていて、神奈川県を代表するお菓子の一つと言えるお菓子です!
大山こま最中買ってきたよ!
本当に大山こまの形だね!
さっそく食べてみようよ!
中にあんこがぎっしり詰まっていてとてもおいしいね!
本当だ!思っていた以上にあんこがぎっしりだね!それでいて、甘ったるさもなくて、上品な甘さっていう感じがするね!
そういえば、和菓子って久々に食べた気がする、若者(Z世代)が和菓子を好んで食べる印象も薄いよね、お菓子やスイーツ=洋菓子っていうイメージが強いかも
たしかに、大山こま最中を納涼祭で販売することができれば、大山こまの魅力と一緒に和菓子(最中)の魅力も同時に伝えることができるかもしれないね!
そうだね、大山こま最中なら食品だし、納涼祭の模擬店でも販売しやすいかもね!
よし!そうと決まれば、『さのや』さんにもう一度伺って、こま最中の販売の許可を貰いに行かないとね!
後日『さのや』さんにお伺いし、納涼祭で大山こま最中を販売することをご協力快諾いただきました。
大山こまのためには
でも、納涼祭で大山こま最中販売するのはいいけど、それって大山こまのためのことに全くなっていないんじゃないかな?おいしい最中を売るだけじゃ面白くないし、他に何か大山こまのためになることをした方がいいんじゃない?
たしかに、、、(利益は飲み会代に充てようと思っていたけど、 それじゃあ大山こまの利益にならないし、どうせなら面白いほうがいいよなぁ、、、)
なら、大山こまを知らない子供に寄付して遊んでもらって大山こまを知ってもらうってのはどうかな?
たしか、橋本ゼミ生の福本さんが横浜の児童館でアルバイトをしていたはずだから、寄付が可能かどうかをきいてみるわ
バイト先の学童でこまはあるし、遊んでいる子はいるけど、子供達は大山こまは知らないと思うよ
それなら、利益はすべて大山こまを購入し、子供たちに寄付しよう!
橋本ゼミでは、このような流れで児童館に大山こまを寄付することになりました。
しかし、まだまだ寄付までの道のりは遠いです。いよいよ納涼祭当日を迎えました。
納涼祭の当日の様子
大山こま最中合計140個仕入れてきたよ!
140個も!!
大山こまの魅力や抱えている問題をお客さんに伝えながら全部売り切って児童館に寄付できるように頑張ろう!
こちらが販売している様子になります。
そして、少しでも大山こまに興味を持ってもらうためにも、巨大大山こまを製作しました。 こちらで写真を撮る方や興味津々に見ている方がとても多くいました。
そして、たくさんの人のおかげで見事140個すべて売り切ることができました。購入いただいたみなさん本当にありがとうございました。
無事に140個完売できてよかったね!出た利益全額で大山こまを購入しに行こう!
そうだね!
寄付しました!
こちらが購入した大山こまになります。 改めて見てみると、とても輝きがあり、同じ大山こまでも一つ一つに違いがあります。これも一つ一つ手作りである大山こまの魅力だと思います。
これまでの長い道のりを得て、冒頭でも話したように児童館に寄付をすることができました。
寄付するためには、橋本ゼミだけではなく、販売を行うためにご協力していただいた方々や大山こま最中を購入していただいたたくさんの方々の力があり実現することができました。
今回児童館へ寄付された大山こまはたくさんの人の想いが乗ったものになっていると思います。
まとめ及び今後に向けて
今まで説明したように、私たちはひょんなことから大山こまに出会ったところから始まり、大山こまを知り、大山こまの魅力や問題を知ってもらうために大山こま最中を納涼祭で販売し、その利益全額で児童館に大山こまの寄付を行いました。少しでも大山こまに興味を持ってくれる人や問題を知ってほしいと思い、このような活動を行いました。
大山こま最中を販売することで得た利益はゼロです。しかし、利益を用いて大山こまを児童館に寄付することで、私たち橋本ゼミが得られる利益よりも大きな価値が生まれると思っています。 ただし、問題が解決された訳ではありません。大山こまの職人の高齢化や後継者難問題は、解決していくのがとても困難なものになっています。
なお、こちらの記事で紹介されているように、職人問題へ危機感を持った方々が大山こまの製作技術を後世に伝えていくために動いている人もいます。
まずは、大山こまの魅力に触れることや大山こまを取り巻く様々な問題があることを認識することがとても重要になると思います。 そして、今回の私たちの活動の一環で少しでも大山こまに興味を持っていただいた方がいればとても光栄です。