永田「久しぶりに大学に行くね~」
神田「そうだね。大学行きのバスに乗るのも久々だね。」
永田「あれ?前までここにファミレスあったよね?」
神田「え!なくなってるね… 今年は道灌まつりも中止だったし、商店街に近づく機会が減った気がするなー」
永田「確かに。商店街って市民にとってそんなに重要なのかな?」
~ゼミの時間~
橋本先生「みんな、伊勢原の商店街の街路灯が一部無くなる話は知ってますか?」
永田「街路灯? 何ですかそれ」
橋本先生「これだよ!」
神田「これって市が設置しているんですよね?」
橋本先生「いや、実はこの街路灯を設置しているのは商店街なんだよ。」
永田「商店街がこんな大事な役割を担っているのか…」
神田「商店街って自分たちが思っているよりも生活に欠かせない存在なのかも?」
商店街の方々にインタビュー
商店街について知るために、伊勢原の商店街の方々にお話を伺うことにしました。
お話を伺ったのは、片町商店会長の二宮さんと伊勢原駅前商店会副会長の熊沢さんです。お二人は、市内の商業振興を図る組織である伊勢原商業のまちづくり協議会の会長、副会長を務められています。
インタビューは、2020年12月21日に実施いたしました。感染対策を考慮し、zoomを用いた遠隔インタビューとなっています。お話の内容は、同日の状況によるものであることをご承知おきください。
片町商店会 会長 二宮 真一さん
年齢:58歳
趣味:ゴルフ
経歴:サラリーマンをしていて、その後お店を出された
お店:マッチボックス(オリジナルプリントTシャツ、ユニフォーム等のデザイン・制作)
伊勢原駅前中央商店会 副会長 熊沢 学さん
年齢:44歳
趣味:プロ野球観戦、スポーツ観戦
経歴:大学卒業後、家業に就かれた
お店:熊沢米店(自社工場で精米されたお米の販売)
橋本ゼミ8期の永田真大です。よろしくおねがいします。
橋本ゼミ8期の神田晴生です。
では、まず伊勢原の商店街の特徴を教えて下さい。
ちょっと本題の前に。君らは商店街を分かっていないと思うよ。
駅前とかに、いくつかのお店が並んでいるのが商店街だと思っていない?
そうじゃないからね。
「えっ?」
商店街というのは、各お店が集まっている様子を言うんだけど、ただお店が集まっているだけという場所もあるんだ。
僕らが商店街というときには、各お店が集まって市民に向けた様々な取り組みを組織化して行っている商店会を指しているんだ。
伊勢原駅前には、実は5つの商店会があって、それぞれが活動を行っている。これ自体はとてもすごいことだと思っていますよ。
インタビューの初めから、いきなり思っていた展開とは違っていました。僕たちが思い描いていてた商店街のイメージとは大きく違う内容がお話されることになります。
商店街とはなにか?
商店街といえば、生鮮三品(魚屋、肉屋、八百屋)がワンストップで買える所をイメージするんじゃないかな? でも、そのうちのどれか欠けていたら、初めからスーパーに行くでしょ。
私たちも色々な地域の商店街について情報交換したり、勉強したりしているけど、伊勢原だけじゃなくて多くの地域で日々の生活に役立つお店が揃っている商店街ってのは、本当に少なくなっていると思うよ。
商店街について、単にイメージで考えていたということを突きつけられました。商店街と聞くと、小売業がたくさん並んでいる事が当たり前であり、伊勢原はそれがないのだと勝手に思っていました。そして、他にも知らないことを教えてもらいます。
①商店街とは一つの集団ではなく個店の集まり
コロナウイルスが未だ流行していますが、商店街として困っていることは何でしょうか。
先が見えない中で、今のお客さんに対して商売をすることで精一杯です。
コロナが収まって生き残ったお店が成功だったような結果になってしまうのが正直な現状ですかね。
飲食店が心配です。特に、出店間もないお店や家賃を払いながら営業しているお店は大変です
一方で逆に売上が上がっているお店もあります。配達や大口顧客向けの商売を行っている所もあるから、一見お客さんがいないように見える店でも大忙しって所もあります。商店街は一様ではなく、元々個店の集まりです。一言では、評価できませんね。
だからこそ、困っている所を助けるべく商店会として努力しているのです。
コロナ禍で商店街全体として影響があったのではないかと思っていましたが、実際には店によって様々であると聞き、商店街はもともと個店の集まりであるということがわかりました。だからこそ、商店街(商店会)として活動していることもわかってきました。
②商店街は街に対して何ができるかを考えてきた組織
コロナ禍の中で、2020年4月〜5月の緊急事態宣言のときは、「テイクアウト大作戦」を行なわれていました。商店会としては、いままでどんな活動を行ってきましたか?
(2020年4月の)緊急事態宣言のときは、飲食店が特に厳しいことからテイクアウト大作戦として、テイクアウトを行う飲食店を広報することを行いました。
飲食店が厳しい事を知ってくれていた消費者も助けようという気持ちが多く、テイクアウト大作戦やIsehara EATSは多くの人のおかげで効果あったと思います。
テイクアウト大作戦のときは、印刷屋も厳しい中チラシを格安で印刷してくれるなど、商店会として協力できたと思っています。
商店会ではハロウィンイベントを行いました。例年とは違い、今年はコロナウイルスの影響もあり、伊勢原駅前中央商店会のみの縮小したイベントでしたが、子どもが仮装してどこかに出かけられる場所が伊勢原にもある事が知ってもらえたら良いなと思っています。
《えきまえハロウィン2020》 二日目も無事に終了となりました 今回は仮装等のルールは設けずに行いましたが来場キッズ達はお気に入りのキャラクターに扮して会場や商店会内を賑わせてくれました。 3つの企画 ①チラシスタンプでお菓子プレゼン…
伊勢原 駅前中央商店会さんの投稿 2020年10月25日日曜日
街路灯で暗い道を照らして誰でも安全に歩けるように街の安全を守ってきたのも商店街なんですよ。でも商店会として街路灯を維持することができなくなってしまいました。
以前は店の前を照らせばお客さんが来てくれるという考えからもありましたが、今ではお客さんがそんなに来てくれない。それでも、街を照らす使命を感じて続けて来ましたが、商店会として維持するお金を払えなくなってしまい片町商店会では2021年の3月末に街路灯を消すことになりました。
もちろん市民の方から「なんでよ」って言われると思います。それでも、限界なんです。これまで長い間市民のために尽くして活動してきたことは、わかってほしいです。
伊勢原駅前中央商店会の街路灯は、頑張って維持していきたいと思っています。
飲食店が多いですし、他にも商店会に入っていないけど学習塾に通う子どもたちのためにもなっていると思います。
実は、街路灯もハロウィンのイベントも子供たちの防犯的な意味があると思いました。明るい場所の方が安心ですし、子どもたちも不審者などがいたときに、お店に逃げ込むことができます。
商店会では、PTAと一緒に「子どもを守る家」という取り組みも行っていて、お店に逃げ込めるように準備しているそうです。ハロウィンを機会に商店街の方々と地域の子どもたちが顔見知りになっていると日常的な安心感につながることも考えられます。
この話を聞いて商店街は街に対して何ができるか考えてきた組織であることを知りました。
商店街はただ商売だけで動いてきたわけではないことを聞き、同時に商店街の重要性に徐々に気づいてきました。
③商店街ってなくてはならない存在?
話を聞いていると商店街はこれからもなくてはならない存在に感じます。お二人はどうお考えですか?これからの展望を教えて下さい。
正直、一般消費者にとって商店街は必要とされていないだろうなって思います。(商店街は)なきゃないで良いんですよ。でも本当にないと寂れた街になりますし、そういう街って住みたくないですよね。
自分としては、市民の方々に故郷をにぎやかでいい街だと思って欲しいです。また、言って欲しいです。伊勢原はずっと人口が10万人程度なんですよ。これってもっと増えても良いと思うんですけど、増えないのは街に魅力がないからでは?と思ってます。
商店会としては、なんとか街の魅力を作り出せるように努力していきたいと思っています。加えて、伊勢原の魅力を伊勢原市民や伊勢原に来る人が一緒に探してほしいと思っています。
駅前の商店街として、イベントを行ったり賑やかしをする事は、儲かる儲からない関係なく大切だと思っています。継続的に、市民の方々とコミュニケ―ションを取っていきたいと思っています。
今年は中止になってしまいましたが、毎年10月の道灌まつりは伊勢原市民にとって模擬店やステージに出る事、すなわちコミュニティーの発表の場になっています。毎年、多くのステージがあったり、盛り上がっていますよね。
「誰でも参加できるイベント」というのが根付けば、暮らしていて楽しい街になり、イベントが盛り上がっている街が魅力のある街として評価されると思っています。
実は「それをやって儲かるのか?」という意見もあるし、商売人としてはもちろん気にしていますが、まずは街を盛り上げたいという思いから取り組んでいるんです。
結論
商店会のお二人から話を聞いて
街がどれだけ活気があるかは商店街にとって重要な要素であること、そしてその活気を作り出すために自分たちが思っている以上に商店会として市民のために動いていることを知ることができました。
商店会に市民が関わる事でもっと色んなアイディアが生まれたりするのでは?とも思い、商店街は市民のために動いているが、自分たち市民は、市民自身のために何かできているのかとも考えさせられました。
ぜひこの記事を読んだ皆さんも何か自分たちの街のためにできることがないか考えてみてほしいです。