ライターの山内愛弓です。まちづくり協議会の方とのインタビュー後、柳田さんといろいろお話ししました。インタビュー(謎解き)したからこそ気づいた話をぜひお楽しみください。
※こちらの記事は下記の後編です。
柳田さんは伊勢原市内在住の1人、私(山内)は伊勢原市外在住の1人として話が進んでいきます!
Part1 まちづくり協議会のインタビューを終えて
今回、初めて伊勢原と縁のある方々と話すことができたと思うけど、実際どう思った…!?
とても楽しかったです!
学校に通っているだけではわからない伊勢原のこと、まだまだ沢山あると未熟さを感じた反面、これからの楽しみみたいなものが増え、ワクワクしています!
レンタサイクル事業の中止の謎を紐解くためのインタビューだったけど、それ以上にまちづくり協議会の方々が考える伊勢原に対する熱い想いにインパクトがあったよね!
伊勢原愛があることはもちろんですが、他の地域について勉強したり、その地域へのリスペクトも感じましたね。
他の観光地に行っては自ら体験して楽しみ、その取り組みや気づきに対して伊勢原でできることはあるんだろうかと常に考えているように感じました!
私は伊勢原市民で今も変わらず伊勢原に住んでいるんだけど、「まちづくり協議会」という各商店街を含めた集まりがあることすら知らなくて、横の繋がりがあることを初めて知ったの。
あまり商店街に盛んなイメージはなかったんだけど、「伊勢原の商業を発展させていくぞ!」という熱意を持って活動しているのを知れて、商店街が存在する意義についても考えさせられたな~!
「こんなところがあるよ」って話も聞くことができ、”絶対行くぞ!”と決心しました。翌日に駅前の商店街に行ってきました!この話はまだ柳田さんにも話していませんでしたね。
実際、よく見ると、伊勢原でしか見たことないものもたくさんあり、興奮しました!!その見ている時間すらも楽しかったです!
大学に2年間通っていながらも、この機会がなければ知らないままでした。(この機会をいただけて)感謝しかありません!
この可愛さ、伝わりますでしょうか…!!!
初めての味なのに懐かしさが感じられ、とっても美味しかったです🤤
Part2 伊勢原にレンタサイクル。インタビュー前は…
正直のところ、伊勢原市民は公共交通機関を多く利用しているイメージがあるのよね。
自転車を利用する人がいないわけではないけど、自転車の通るスペースが広いところもあれば、一方通行でも通るのが厳しいところもあるかな。
そういえば、前に茅ヶ崎に行ったんだけど、自転車の多さにびっくりしたよ!
そう思います!
特に海沿いが人気ですね!歩いている人の列があっても、自転車が通れるぐらいのスペースがあって、すぐ真横に海、見渡せば烏帽子岩も江の島のシンボル(江の島シーキャンドル)も見えて、海独特の磯の香りもしますね。
加えて、平坦な道であることも、理由として大きいと思います。
実際、私は自宅から海まで自転車では30分位掛かりますが、高校生の頃は花火を見るためにとか、初日の出を見るためにとか、運動があまり好きではない友達ですが、行ったこともありましたね。
少し話しがずれてしまいましたが、駅の近くで自転車を利用する人の数を比較すると、伊勢原の方が少ない印象ですね。その点はやはり土地の高低の違いなのかもしれないです。
単に海を見に行くんじゃなくて、海があることによって、より思い出に残るような意味のある体験ができるから見にいくのかもね。
花火も初日の出も屋上とか高い所で見ようと思えば、見ることができるもんね。海に付加価値がある気がする…!
なるほど!!確かにそんな感覚があります!
茅ヶ崎市民にとって、やっぱり海は特別な存在です。
だとすると、「海」の近い地域の強みがあるのなら「山」に近い地域の強みもあるはず!
自転車を活かして楽しむコンテンツはきっとあると思うんだよね。それを伊勢原で証明したい…!って野望を抱えてしまった(笑)
坂道を上ることの大変さがイメージとして強いので、その場所が多ければ多いほど、「自転車で行く」という手段から遠ざかると思います。しかし、その分、坂道を下る時の気持ちよさはたまらないものなんだよ!って共感できる人を探しているところです(笑)
インタビュー当日。伊勢原と言えば「大山」と答えた柳田さんと私(山内)。
大山までの道のりは「坂道が多い」と把握していました。それでも公共交通機関に力を入れている最中、「自転車で大山に行く」ことを観光客が受け入れてくれるだろうか…と思っていました。
しかし、インタビューを通じ、全然違う考えに至るのでした。
Part3 伊勢原にレンタサイクル。インタビュー後の気づき
インタビュー前と後の変化はありましたか…?
もちろん!もりだくさんだよ…!
伊勢原の観光地「大山」、日本遺産「大山」、だから「大山」をより多くの人に知ってもらうためには‥といった感じで考えてたよ~。
極端に言えば、「伊勢原には大山しかないよ」と遠回しで伝えていたようで…伊勢原市民として何たることを・・・。
私も大山ばかりを考えていました。
大山は魅力的ですが、大山が伊勢原の全てではないですよね。伊勢原に来ると、はっきりと大きく見えるのが大山。伊勢原に来た人達はそれを見て「あの大きい山は何?」って興味を持つきっかけになりますよね。
しかし、伊勢原にしかないお店があったとしても、近くを通らないと分からないですし、まして、公共交通機関を利用すると、知らずと通り過ぎてしまう。。
結局、お店が開いているかも分からなかったら通り過ぎてしまう気がするんです。それは伊勢原を観光しに来たのなら、もったいないことじゃないかなと思います。
「もったいない」に激しく同感…!要するに、大山だけではなく、伊勢原地域全体の魅力を感じ取ってもらうための方法が、「レンタサイクル」だったんだよね。
その考えが抜け落ちていたよ…
話が少しずれるのですが、伊勢原駅を利用する観光客は、バスに乗る人がすごく多くて、平日であっても列が絶えないのをよく目にします。
駅前は、バス停が分かりやすくて良いんだけど、バスを待つことが苦手な人にとっては退屈だったり、満員で窮屈になることは避けたいのにと思う人もいる気がするんだよね。
そんな時の解消法としても「レンタサイクル」が役割を果たす可能性もあるよね。
あと、バス停から離れた、まして歩いたら相当時間がかかるような場所にあるお店は観光客の行動範囲に含まれているだろうかと思いました。
バスを含む公共交通機関で観光を楽しむのももちろんありですが、それは自転車だからこその強みかもしれませんね。
そう言えば…!二宮さんと観光協会の女性の方とお二人で大山まで電動自転車で登ったという話がありましたよね!
あったね!私もびっくりしちゃった…!
大山だから、体力がないと急斜面を登りきるのは難しいから到底辿りつくのも…って思っていたけど、電動自転車だと必要以上に心配する必要がないかもしれないね!もちろん、事前準備は必要になるけど…
実際、観光で普段使いの自転車を持ってくることは荷物になりますし、まして、土地の高低に差のある伊勢原なので、電動自転車ではないと体力の消耗が大きいわけで、「レンタサイクル」という提供の場で伊勢原を電動自転車で巡り楽しむという機会として活かしたかったんだと感じ取りました。切実に実現してほしいです…!
まさにまちづくり協議会の方々は「痒い所に手が届く」ようにすることの重要さに気づいたんだよね!
「レンタサイクル」を単純にやりたかったではなく、レンタサイクルを通して大山以外にもたくさんある伊勢原の魅力を体験してほしいというメッセージが身に染みるぐらい伝わってきたもの!
と、メモを見て柳田さんが気になっていることがあるようで・・・
大山豆腐も有名だよ!他にはA5ランクの黒毛和牛「阿夫利牛」を伊勢原で育てているって聞いた!私たちが知らないこと、まだまだ沢山あるよね。
もっとそのような情報が広まっていければ、豊かな観光資源に惹かれる人たちが様々な特産品を目指して伊勢原に行こうと足を運んでくれると思うんだ。ある人は○という特産品を気になっていて、他の人は△という特産品を気になっている、みたいに伊勢原に来る目的が人それぞれ違うってなると面白いよね!
確かにそうですね!その目的がより豊かになると、一回きりの観光では物足りなくなりますね。
それに…え!A5ランクの黒毛和牛「阿夫利牛」ですか ⁉大山豆腐も有名ですが、そちらも気になります!
レンタサイクルは「伊勢原全域の魅力を多くの人に知ってもらうための1つの手段だった」とインタビューを通して気づきました。そして…
Part4 レンタサイクル中止。実施未定になったこと
「まちづくり協議会」は3年限定。その期間でレンタサイクルの効果を知るための実証実験を進め、電動自転車も購入。しかし、その約1ヶ月後に緊急事態宣言。2年目からレンタサイクルを進めるための対面会議が続行不可能になるなんて…と振り返る私たち。
あまりにもタイミングがよろしくないですね…
そうだね…
けれど、少し視点を変えてみたら、私は「まだやる時じゃなかったかも」って捉えることもできるかなと思ったよ。
本当ですか…!
うんうん。
単なる思いつきでレンタサイクルをやる考えでは全くなかったけど、二宮さんがおっしゃったことを思い浮かべると、例え自転車のルートがあったとしても、「この景色を見て何ができるんだ」と思わすようなルートであったら、伊勢原の魅力として受け入れてくれないじゃないかな?
もしかしたら、伊勢原自体をも魅力がないって感じてしまうかもしれないんだ。だから、ルートの制作はスピード感よりも時間をかけて作ってこそだと思ったんだよね。
確かにそうですよね…。自転車で巡ってみようと思った人が実行したところで、満足に至らないものになってしまえば、“また自転車で行こう” とは思わないだろうし、「良かったよ」って誰かに伝えることがなければ、使用することを望んでいる人にも情報が届かないです…。
極力そのようなことにならないためにも、実証実験を何度も重ね、ルートを練ってこだわっていくことが重要になるよね!
コロナウイルスの感染拡大によって実施未定になってしまったレンタサイクル。それは紛れもなくコロナウイルスによる「脅威」。しかし、それを「機会」と捉えることもできました。今後、レンタサイクルを活用して巡る伊勢原 は実現できるのでしょうか!今後、期待が高まります。
Part5 インタビューで特に印象に残った言葉とは
私は「伊勢原のブランド価値を高めていく」が印象に残ったな~!伊勢原では公共交通機関に力を入れていて、今年(2022年)4月16日には新東名高速道路(伊勢原大山IC~新秦野IC間)が開通したよね。
地域としての特産品が全国区に広がった「しまなみ海道」という高速道路が1つの例だと知り、交通の便が豊かになりつつある 伊勢原にも未来がある と明るい気持ちになった!後はそこから「観光客にどれだけ、大山だけでない伊勢原の『価値』を提供できるか」の課題に対して、今後地域の特産品に収まらない伊勢原ブランドの確立、観光価値が向上することで商業が発展し、より市民にとっても暮らしやすい街「伊勢原」になるんじゃないかと思ったよ!
私は「シチュエーションを創出する」です!伊勢原市は 酪農が盛ん で 牧場が多いという特色があると知りました。レンタサイクルをするメリットの話では「牛乳」の例が挙がり、「牛乳を飲みたくなる場所は?」という質問では、私たちは「銭湯…!」と答えが一致しましたね。
他の商品との商品自体の差別化だけではなく、観光客が商品を消費したくなるような場面にも注目し、それを創出していく視点が重要であるという説明には腑に落ちるものがありました!!消費者目線 というのは、それに通じるものがあると思いましたね。企画を考える上での切り口としても非常に勉強になりました!
Part6 これからの伊勢原は「観光地」として?
柳田さんは今後、伊勢原はどうあってほしいと思っていますか?
私は観光地としての伊勢原っていうよりは、観光地は1つの切り口かな。レンタサイクルが大山以外の魅力に気づく手段であるように、観光地としての伊勢原だけではなく、住みやすい街「伊勢原」としても興味を持つ人が増えてほしいと市民として思うところであり、願いだね!
まちづくり協議会の方々も目指す将来像が「いつまでも、ずっと住み続けたいまち伊勢原」とおっしゃっていましたよね!
そうそう!今までは「観光地」の視点ばかりに注目していたけど、インタビューを通して、安心して暮らすことができる場所としても魅力なんだよねって気づかせてくれました!
私は電車で伊勢原まで来ていますが、畑が一面に広がる景色を見ると「伊勢原に来たんだな~」と故郷に帰ってきたような気持ちになるんです。
それがすごく新鮮なんです。けれど、伊勢原に住みたいと希望する人が増えていくにつれて、そのための場所が必要になって、いつか無くなってしまうんじゃないかと不安になる時があります。
実際、畑があった場所が住宅地になっているケースは多いと思います。けれど、「これが伊勢原なんだ」「守っていくべきなんだ!」って思う人が住民だけではなく、観光客にとってもであれば、それは伊勢原ブランドの1つとして確立することもあるのではないかと思いました。
私もその光景、好き。
電車で出かけて帰ってきた時になぜか物凄く安心するんだよね。
観光客にとっても、地元ではなくても里帰りしたような体験を求めにくる人が増えるといいな-!観光目的で来たのに最終的に移住を決めたっていう人も中にはいると思うんだよね。そのように捉えられる場所を後世に残せていけたら嬉しいね!きっと、自転車というのも…
懐かしさを感じさせてくれるシチュエーションの1つだと思います…!(食い気味)
確かにそうだね…!(笑)
そのためにも私たちができること、きっとたくさんあると思うんだよね。上限つけずにやっていこう!
最後に
まちづくり協議会が企画検討した伊勢原市内でのレンタサイクルはコロナ禍により「中止」となってしまいました。しかし、まちづくり協議会の想いと購入した 電動自転車 とともに観光協会で引き継ぐことが決まり、状況に合わせて実施するようです。
謎解き編から引き続き、見て下さりありがとうございます。伊勢原を自転車で巡ってみることも あり! なんて思ってもらえたら嬉しいです。伊勢原に来てからでも楽しみ方はたくさんあります。伊勢原の隅々の魅力を宝探しのように探してみてはいかがでしょうか✨!