たべるまなぶ

サステナブルを体現する店主に聞く豊かな人生とは -隠れ家的パン屋リトルパンダ-

たべる

はじめに

サステナブル(持続可能性)、または、ワークライフバランスという言葉を最近よく聞きます。これらは、利益を追求することが企業の最大の目標であり、同じく私達の人生における成功もお金を稼ぐことという前提があるからこそ出てきた逆の価値観の言葉ではないでしょうか。そして、難しいからこそある言葉だとも思います。

働くために生きるのか、生きるために働くのか、人生を豊かにするために働くのか。今、まさに就職活動が始まろうとしている私には考えざるを得ないテーマです。皆さんは仕事の在り方をどの様に捉えていますか?

今回は、私山本が、伊勢原市で14年間の経営を行っているパン屋「リトルパンダ」に取材に行ってきました。「人生を豊かにするために働く」店主さんの思いと信念を伺うことができました。

お店の紹介

 リトルパンダさんは、国道246号線沿いにひっそりとお店を構える隠れ家的なパン屋さんです。こだわりの自家製酵母とホシノ天然酵母をブレンドさせ作るパンは、もちもちとした食感で微かに甘みを感じる、地元伊勢原でも大人気のパン屋さんです。

リトルパンダさんの商品棚

ひと目で美味しさが伝わり、さらに手作りされたポップには、商品のこだわりが記載されています。私のおすすめはクロワッサンです!もちもちとした食感と微かな塩味で強調されるパンの甘さを是非読者の皆様にも体験してほしいです。         

 ちなみに店主さんのおすすめは総菜系のパンで、最近ではピザがイチオシだとか。総菜系のパンは他のパンとは違い生地に厚みがあるので食べ応え抜群です!

バランスが大事なんです

山本
山本

早速ですが、お店を続けていくうえで何を1番大事にしていますか?

店主さん
店主さん

私は、バランスを一番大事にしていますね。伊勢原市という限られたマーケットの中で商品を売るのは簡単な事ではありません。

価格を抑えるために大量生産をし、毎日営業をしても商品全てを売り切ることが出来ずに廃棄になってしまう事もよくあります。毎日の廃棄が無くても、食品ですので当然毎日少なからずのロスは出てしまいます。

利益を追求するという事は、結果として資源を無駄に消費してしまうことに繋がるわけですね。資源と利益このバランスを私は大事にしています。

山本
山本

なるほど。先ほど資源と仰っていましたが、資源とは食材や機材といったモノなのでしょうか?

店主さん
店主さん

私の考える資源には、私自身も含まれています。

体は資本という言葉がありますよね。仕事と健康、仕事とプライベート、利益を追求する毎日ではこの二択の両立はできませんよね。

どちらかを削って騙し騙し生活していくんです。私は笑顔で元気にパン屋を続けたいという信念を持っています。この信念を曲げないために利益の追求を手放したわけです。

だから、水曜日と金曜日の週2日営業にしています。

山本
山本

そうだったんですね。

仕事をする=利益(お金)のためという考え方は、次第に心身を削る戒めになっていたのかもしれませんね。人生を豊かにするために働く。なかなか手の届かない働き方だとは思っていましたが、本当は人生の選択次第で手に入れる事が出来るのかもしれませんね。

 

店主さんにとって豊かな生活とはどんなものですか?

店主さん
店主さん

難しい質問ですね(笑)

人それぞれだとは思いますが、私は今のまま地元でパン屋を続けていける事が私にとっての豊な生活になるのだと思います。

取材をして ~サステナブルな人生を~

 私は以前、実家の農業を題材とした記事を投稿しています。 その中で、農業をDX化し新たな利益追求をするのが正しいと主張しました。

2025年までに全ての農業の担い手がデータを活用する
皆さんこんにちは。11期生の山本莉貢と申します。私は苺農家の家に生まれ20年間農業を経験して育ちました。農業は今、産業革命とも呼べる程の転換期に差し掛かっています。ここで冒頭のタイトルについて紹介したいと思います。 「2025年までに全ての

 実はこの主張、経営を担っている父には受け入れてもらえませんでした。父はDX化することで新たな顧客に多くの農産物を買ってもらうことによる利益を追求することはせず、今いるお客様により良い商品を届けたい。これが父の考えでした。当時の私は、人生を豊かにするには利益を追い求めなければならないと思っていたため、この意見が全く理解できませんでした。まさに、記事冒頭で示した資本主義的考え方にドップリ浸かっていたのでした。働くために生きるという考え方です。

 しかし、今回取材に行った事をきっかけに、父の主張をやっと理解することが出来ました。父とリトルパンダさんは、利益を追い求めることのできる環境がありながら、わざとその選択は選ばずに豊かな人生を送るために働く選択をした。この選択は、利益を追い求める事を手放したことになります。

 しかし、利益を求めすぎない経営を続けたことで地域に深く根差すことにつながったのだと思いました。この、利益と資源のバランスが企業の成功、人生の豊かさに通じるんだと思いました。伊勢原市で経営する2人の経営者から学ぶことが出来ました。

2023年瑞木祭でカレープレートが食べられます!

前回の記事で紹介した、阿夫利山荘鹿肉カレーとリトルパンダさんのパンと合わせて販売します!カレーに合わせたパンを作成いただきました。

伊勢原市特産の鹿肉とリトルパンダさんのこだわりのパンをカレープレートとして販売します。是非食べに来てください。

最後に

 今回は取材にご協力頂きありがとうございます。

店主さんのご希望で、店舗の住所と店主さんの名前は非公開とさせていただきました。伊勢原の隠れ家的なパン屋さん。246沿いにあります。お散歩がてらに探してみてください。

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